DTL ビームテスト案

2003.7.7  T. Kato

 

以下は、全てが順調に行われた場合を想定する。スタディと平行して、測定ソフト等の開発と改良が必要と思う。

 

ビームスタディ時間:午後1時〜午後7

午前中:機器の準備

午前10―1030分 スタディ打ち合わせ

期間:13週+予備2週=15週程度

 

1.第1週:目標:DTLの後ろまでビームが加速されて、加速エネルギーが確認出来る。

     ビーム:5 Hz, 5 mA, 30マイクロ秒。

        1日:MEBTのビーム調整+MEBTエミッタンス測定

        2日:DTLへの入射、テストスタンドのモニターチェック

        3日:入射マッチング調整、DTL 電場強度と位相の調整

 

    機器測定項目:DTLRFQRF電場強度とRF位相、DTQ電流、

                        MEBT Q電流、MEBTステアリング

    ビーム測定項目:MEBT電流、DTL出力電流、

            MEBT BPM, DTL 出力BPM

            MEBTエネルギー、MEBTエミッタンス、DTLエネルギー

                        DTLエミッタンス)

 

 注)最初にMEBTのチューニングに時間をかける方法もあるが、今回は、あるチューニングレベルで、まず、DTL へビームを通してみて、その結果により、次の方針を細かく設定する方法とする。DTL タンク1台のビーム試験なので、最初の3日間の結果により、どこに問題点があるのかを、判断出来ると考える。バンチャーを使っていないので、DTLエミッタンス測定は、測定システムのチェックの意味が強い。達成された結果が劣る場合には、パラメータを細かくスキャンするなどの原因調査を、次週に行う。結果が良ければ、微調整は省略して、次に進む。

 

2.第2週:目標:バンチャーオンとして、高いビームの透過率が得られる事。

        ビーム:5 Hz, 5 mA, 30マイクロ秒。

4日:MEBTの調整。バンチャーオンとするので、MEBTエネルギー調整、横収束の再調        

        整が必要。

        5日:DTL電場強度と位相の調整。 DTL 縦方向入射調整。

           バンチ長さ測定(高調波、スペアナ:原研より移動?)

        6日:エミッタンス測定

 

3.第3週:目標:横方向のマッチングの改良と一応の最適チューニングの達成。

    ビーム:5 Hz, 5 mA, 30マイクロ秒。

    前週までの結果、縦のチューニングがほぼ良いと判断される場合、横方向のマッチング調査を行う。入射位置調整とtwiss parameter 調整をする。いずれも指標は、ビーム電流、横エミッタンス、出力ビームサイズ及び出力ビーム位置。

        7日:入射位置調整

        8日:入射twiss 調整

        9日:総合調整

 

4.第4週:最適タンク電場強度と位相チューニング法のテスト

ある程度の横及び縦の入射マッチングが確保された段階で、最適タンク電場強度と位相チューニング法のテストを行う。

        10日:phase-scan

        11日:phase-scan

        12日:phase-scan

 

5.第5週: RF reference 周波数の変更(山口さん)を行い、まず動作確認。次に大電流にして 

       チューニングを行う。

        ビーム:5 Hz, 5 mA, 30マイクロ秒。

        13日:RF 動作確認、チューニング確認。5 mA

 

        ビーム:5 Hz, 30 mA, 30マイクロ秒。

        14日:30 mA にて、MEBT のチューニングから始めて

        15日:2日間にて、大電流の最適チューニング。

 

        低電流でDTQチューニングをするかどうかは、議論の余地あり。

 

6.第6週:DTQを変えて、最適収束磁場をさがす。

     ビーム:5 Hz, 30 mA, 30マイクロ秒。

        16日:DTQサーチ

        17日:DTQ サーチ

        18日:DTQ サーチ

 

7.第7週:DTQを変えて、最適収束磁場をさがす。

     ビーム:5 Hz, 30 mA, 30マイクロ秒。

        19日:DTQサーチ

        20日:DTQ サーチ

        21日:DTQ サーチ

 

8.第8週:チョップビーム加速

     ビーム:5 Hz, 5 mA, 30マイクロ秒。

        22日:低電流チューニング及びMEBT チョップビーム調整

        23日:チョップビームDTL加速

        24日:チョップビームDTL加速

 

9.第9週:プリ+チョップ連動テスト

        ビーム:5 Hz, 5 mA, 30マイクロ秒。

        25日:プリ+チョップ連動テスト

        26日:プリ+チョップ連動テスト

        27日:プリ+チョップ連動テスト

 

10.第10週:プリ+チョップ連動テスト

        ビーム:5 Hz, 30 mA, 30マイクロ秒。

        28日:プリ+チョップ連動テスト

        29日:プリ+チョップ連動テスト

        30日:プリ+チョップ連動テスト

 

11.第11週:長パルス加速テスト

        本番とほぼ同じビームをデューティだけ落として加速。

        ビーム:1 Hz, 30 mA, 300マイクロ秒

        31日:チョッパーオフ、ビーム負荷、パルス内のパラメータ変化

        32日:チョッパーオフ、ビーム負荷、パルス内のパラメータ変化

        33日:チョッパーオン

 

12.第12週:長パルス加速テスト

        本番とほぼ同じビームをデューティだけ落として加速。

        ビーム:1 Hz, 30 mA, 300マイクロ秒

        34日:チョッパーオン

        35日:チョッパーオン

        36日:チョッパーオン

 

13.第13週:ビーム誘起電圧その他

これまでのテストで、悪影響が出ていれば、その時点で調査しているはずであるが、仮に、大きな影響がない場合でも、ビームが作る電場について調べておくのが良い。これは、後続のタンクの知見ともなる。チョッパーオンとオフで測定する。

ビーム:5 Hz, 30 mA, 50マイクロ秒

 

本案では、主として、ビームの性質を調べる事を目標とするスタディについて記した。別途、各機器グループ独自のスタディも必要。それらを、適切な時期に設定して、全体のスケジュールを立てるのがよい。

順調ならば、スケジュールを前倒しで進める等、適宜判断する。

適当な時点で3-MeVビームのDTL透過テストを行う。

データ等をまとめてコンピュータ内に記録するようにしたい。その形を制御Gが提案。