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8.1.8 SDTL INR建設案の断念表明 5月12日

5月12日(火) きのう主幹が私の部屋へ来て、関係者でSDTLについての話をしたいからという。そこで 今日の1時30分から4階会議室にて会議をした。参集者は、山崎、高崎、上野、加藤、内 藤。まずYYが50 MeVではなくて70 MeVにしたらどうかという提案らしきものをいう。いわく、その方が高周波源の数が減って低コストだと。その裏を一瞬の間に悟った私は、変更 した時の差額が小さい事と、多くの検討を踏まえている点を指摘して一蹴。UはSDTLを INRで作ろうという意見。私は、責任の無い君が無責任な事をいうなと批判。彼は、最後まで、 即ち主幹が方針転換を言い出してからも、なんとかして、それが単なる決定延長であるという方向へ持って行こうとした。**出身には、こうしたエゴイストが多い。M、S、そして U。かれらは徹底的なエゴイストである。 激論の末、主幹はこう言った。

「皆さんの賛同が得られないようであるから、私としては非常に残念であるがSDTLをINR で作る件は中止します。これまでの国際協力は、根幹部分ではなかった。根幹部分をする事が国際協力では重要であると考えている。日本とロシアが協力すれば、それは日本のステー タスが上がる事にもなり、望ましい事であると」

私は主幹が昨日私の部屋に来て、会議をすると言った時の顔付きが柔らかくなっていたので、何か変ったと思っていたのだ。主幹は先週の金か又は昨日、西川先生とあっているはずである。以下は私の推測である。 私と話をしたK副所長は、恐らく西川先生に相談するだろう。なぜなら、K先生はリニアックの専門家ではないし、空洞製作法に関しては、西川先生しか相談する相手はいないはずなのだ。西川先生の意見は恐らく私よりの答えであったと思われる。原研の中性子委員会での主幹の独走ぶり、何回かの西川先生から私への助言などから判断すると、そうした答えになる。


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