資料 基本的要求要件の詳細
基本的要求要件には、高周波加速空洞一式を製作するにあたり、最低限必要な事項を 示した。以下の項目は、それらの詳細説明である。
1)アルバレ型ドリフトチューブリニアック(DTL)により、3 MeVから約50 MeVまで加速し、その後、分離型ドリフトチューブリニアック(SDTL)により約58 MeVまで加速する。当初のビーム長さは500 マイクロ秒以上(高周波パルス長さは 630 マイクロ秒 以上)、繰り返し周波数は50 Hzとする。DTLはドリフトチューブの中に収束用四極電磁石を含み、 SDTLは、ドリフトチューブの中に収束用四極電磁石を含まない。DTLは3タンク構成とし て、夫々のタンクを励振するクライストロンの励振ピーク電力はおよそ1 MWである。SDTLは2タンクを1本のクライストロンで励振する。励振ピーク電力はおよそ0.7 MWである
2)平均ビーム電流が大きいので、加速途中のビーム損失を極めて小さくする事が必要であ る。この為には、高周波加速空洞の特性が全般的に優れており、且つ、運転時の動作が安定 している必要がある。叉、そうした安定性は、長期間の使用の間、一定に保たれる必要がある。特に重要な動作特性として、高周波特性、収束磁石の特性、整列精度の特性が挙げられ る。なお、本出力ビームは、エネルギーの増強により、 200 MeV 叉は 400 MeV 程度まで、将来加速する可能性があるので、求められる諸特性は、これに対応可能でなければならな い。
3)前項に挙げた主要な特性は、長期間にわたり安定に保持されなければならない。その為 には、具体的には以下の項目が要求される。
1. 高周波にさらされる全表面は、電気伝導度が優れた銅によって覆われており、表面に関す る諸特性が、長期の間、安定に保持されなければならない。
2. 直流励磁も可能な四極電磁石である事。
3. 運転時の加速特性及びビームに対する収束特性が安定な事。 4. 所要の整列精度を長期間にわたり保持する事。
4. バンチャーはノウズコーン型の2台のシングルセル空洞とする。励振電力は最大10 kW、加速電圧は約120 kVとする。
5. チョッパーは偏向電場を使用するタイプの2台の空洞とする。励振電力は最大20 kW、偏向電場は約 1.4 MV/mとする。空洞の負荷Q値は20以下とする。高周波パルス列の長さは約222 nsec、パルス間隔は約278nsec、繰り返し周波数は2MHz程度とする。このパルス 列は、パルス長さ約630マイクロ秒で繰り返し周波数50Hzのバーストパルスを形成して、 空洞を励振する。
家ではLogicで昔の曲の仕上げをしている。なんとかフィナーレの部分がなりそうな雲 行き。朝の6時まで作業をした。