FCT位相検出器の
「Voltage端点(== 出力電圧の上限下限)の切落とし」
についての提案(但し、暫定的)
2007年3月6日リニアックデータベース打合せ
V001文責:佐藤進
目次
(1)目的
(2)提案に当たっての、データの解釈
(3)提案 (但し、暫定的)
(1)目的:
位相検出器には、入力信号レベルに応じて、4つの選択がある。つまり、
“offset位相”の設定:「0度」or「180度」
“入力信号減衰量”の設定:「0dB」or「-20dBm」
の2×2の組合せである。空洞の位相を(360度)スキャンするにあたっては、offset位相の設定をスキャン中に変更しなくてはならない。全数の位相検出器の、「出力電圧の上限下限」を測定されていないが、暫定的な「“offset位相”切替え電圧」を、提案する。
(例えば、先のトロンボーン試験(2月28〜3月1日)では1つの位相検出器をスキャンするのに、10時間以上時間がかかっている。)
(2) 提案に当たっての、データの解釈:
(2-0) 添付の表(0218_2007_FCT_BasicInfo_PhaseDet_subVer004c.xls)を見ると、
位相検出器の製造時期には大きく分けて、2期がある。2004年3月製造と、
2006年9月製造である。代表として各1台(S1-2,S13-2,respectively)調べた。
-> それぞれの代表として、
2004年3月製に関しては,S1-2[LCO314,0206_2007_FCT_testmemo_vol2_v001b.doc図1or4]
2006年9月製に関しては,S13-2[LCO307,0302_2007_FCT_PhaDetSettingDependence_v001.doc図1]
を参考にした。 それぞれ図1、図2として下記に再録した。
↑図1(左)2004年3月製造[LCO314
より再録] ↑図2(右)2006年9月製造[LCO307より再録]
(2-1)代表モジュール、の出力電圧
2004年3月製のS1-2は、出力電圧下限が約1.8V、出力電圧上限が約5.6Vである。
2006年9月製のS13-2は、出力電圧下限が約1.7V、出力電圧上限が約5.3Vである。
これら2者から、上下限を見積もると、上下限は(安全サイドで)「下限1.8V〜上限5.3V」である。
(2-2) 個体差
位相検出器の全数をスキャンしていないので、正確な個体差は分からない。
上記2者の差を、”個体差”と仮定すると、約「0.3V」である。
(2-3) 出力電圧のヒステリシス
先の報告[LCO314,0206_2007_FCT_testmemo_vol2_v001b.doc図1or4]
を参考にすると、
約「0.2V」(約20度)である。但し、「ヒステリシスの範囲で線形性が悪い
訳ではない(同LCO314,図3or6)」ので、この約「0.2V」ぶんを除外する必要
性は必ずしもない。今回の提案では、安全サイドに見積もるため、この「0.2V」
も除外しておく。
(3) 提案
上記(2-1)の「下限1.8V〜上限5.3V」から、
上下限それぞれについて「0.5V」を除外すると、
(「0.5V」=上記(2-2)の「0.3V」と、上記(2-3)の「0.2V」との単純な和)
「下限2.3V〜 上限4.8V」と言う提案となる。
下限: 2.3V = 1.8 + 0.3 + 0.2 [V]
上限: 4.8V = 5.3 – 0.3
– 0.2 [V]
(3-1)「下限2.3V〜
上限4.8V」では、平均をとる。
(offset設定に関して、0度設定と180度設定の両測定値の平均値)
(3-2)「下限2.3V」以下の測定値は、offset設定1者の値(上下限内の方)をとる。
(3-3)「上限4.8V」以上の測定値は、offset設定1者の値(上下限内の方)をとる。
--以上--