横マッチング報告 2007年4月17日 佐甲博之
DTL3-S03Bのセクションで横マッチングを行った結果を報告する。
ノブ:DTL3:DTQ23,24,27,28
Wire Scanner: S02A:WSM01,S02B:WSM01,S03A:WSM01,S03B:WSM01
昨日までは、信号読み出しが現状できないS02A:WSM01-yに関しては、対応するBLMのGaussフィットのσから他の3台のWS-yでのσのBLM/WS比より類推した値を使用していたが、マッチングはモデルの予想ほど向上しなかった。
昨日までの結果:mismatch factor = (σmax-σmin)/((σmax+σmin)/2)の比較
x:10.1%(Q補正前)→8.5%(Q補正後)
y:13.2%(Q補正前)→11.2%(Q補正後)
今日の測定では、S02:WSM01-yの測定点を除外し、x4点、y3点の測定値を使用して、モデルに対しTwiss parameter, Emittanceのフィットを行いマッチングの取れたQ補正値を計算した。得られた補正磁場をQ磁石に与えWSの再測定を行った。
図1はQ補正前のビーム幅測定値とフィットを示す。図2はQ補正後のビーム幅測定値とモデルによるQ補正後の予測を示す。Q補正後のビーム幅のばらつきは非常に小さくなり、また各WSでのxとyの幅の値が互いに近づいていることがわかり、マッチングが格段に完全されたことが分かる。補正前後のmismatch factorは
x:16.3% (補正前)→ 5.8%(補正後)
y:13.1% (補正前)→ 3.5%(補正後)
となった。WS1-yをBLMから類推する方法に比べて格段に向上していることがわかる。
また、DTL3入り口でのTwiss parameter, emittanceのフィット結果と設計値との比較は以下の通りである(Q補正前)。フィット結果は設計値に近いことがわかる。
フィット 設計値
αx 1.644 1.698
αy -2.485 -1.814
βx 1.846 1.984
βy 2.705 2.034
εx 4.256 4.435
εy 3.660 3.552
最後にQ磁場の補正値を示す。
補正後の磁場(T/m) 設計値(T/m) 補正の大きさ(%)
DTL3:DTQ23 -4.554 -3.392 +34 %
DTL3:DTQ24 8.010 6.161 +30%
DTL3:DTQ27 -12.05 -12.44 -3%
DTL3:DTQ28 10.55 11.48 -8%
図1:SDTLでのQ補正前のビーム幅測定値とモデルによるフィット
図2:Q補正後のビーム幅測定値とモデルによる予想Envelope