延長予算と維持予算が示唆する問題点
- 先端加速器には初期不良がある。これは、性能限界に迫るものを作る故に、一面仕方のない事と考える。
- 加速器部品は消耗品と考えるべきである。これは、いわゆる極端条件で動作する機器の宿命のようなものである。
- 性能向上を目指して、数々のマイナーチェンジを行いながら、加速器は、性能アップする。
- 従って、毎年の加速器維持予算は、加速器の性能向上につながる大切なものである。
- どうした事か、完工後、初めての年の維持予算はほとんどゼロ状態と聞く。
- どこかに使われているのか。何かの引き換えとなっているのか。あるいは、いずれかの担当が無知なのか。
- 予算状態から判断すれば、加速器の基本的な性能向上に対して、かくも無関心な状況で、エネルギー延長とはどういう事なのか。二階を重ねて建てる時は、きちんと一階の補強と整備をしてこそ、初めて重量感あふれる全体が可能となる。基礎が弱くては、軽いものしか建てられまい。
結論
リニアックエネルギー増強を計画する前に、現在のリニアック(リング)の維持・改良に充分な配慮をするべきであろう。そうした方針が見えない現状でのエネルギー増強は、単なるどんがらの建設と思われても止むを得まい。