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3.1 RFQのタンクレベルと出射エネルギーの相関 061130

$\bullet$ 2006年11月30日のスタディ回覧より

「RFQのタンクレベルと出射エネルギーの相関」等の、データとプロットを回覧します。

横軸は2種類あって、
(1)RFQtanklevelとの相関は「赤色label(グラフ下側),赤色plot」
(2)イオン源電圧との相関は「青色label(グラフ下側),青色plot」
です。

図 3.1: RFQのタンクレベルと出射エネルギーの相関
\includegraphics[width=12cm]{RFQtankscan.EPS}
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

3.1からわかる事は以下の内容にまとめられる。

  1. デザイン(デザイン入射エネルギー、デザイン励振電力)に対応する出力エネルギーは2.945 MeV程度である。これはデザインに較べて55 keV低い。
  2. ピーク幅で約30keVのエネルギー振動が出力エネルギーに見られる。
  3. 出力エネルギー振動の平均は2.95 MeV程度である。
  4. 出力エネルギーは常に3 MeV以下である。

このRFQ空洞の仕様は次の如くである[1]、p. 648。

   入射エネルギー  50 keV
   出射エネルギー   3 MeV
   励振電力     336 kW

測定により得られた結果は、デザインに較べると、どうみても不可解である。その理由としては、以下が考えられる。

  1. ビームエネルギー測定にシステマティックなオフセットがある場合、縦軸の数値にエラーが含まれる。この場合には、エネルギーがデザイン通りに3 MeV に到達している可能性がある。
  2. RF電力測定にエラーがある場合、図のプロットが左右に移動する。この場合には、エネルギーの値自体は変化しない。
  3. エネルギーの測定結果が正しいとすれば、不一致の原因は次の二つであろう。
  4. デザインの段階でエラーが含まれる。この場合、デザイン時の数値としては3 MeVが得られるのであるが、例えば負水素の質量を入れ間違えるとか、縦加速の補正量が間違っているとか、いくつかの原因が考えられる。
  5. デザインが適切であったとしても、空洞がデザイン通りに作られているかどうかは別の問題である。RFQ は複雑な電極形状をしているので、そこに何種類かの単純化という補正をして実際の加工を行っている。この加工法が、遡ってデザインに大きな補正量を要求する場合がある。更に、加工精度が厳しいので、そこに問題が生じる可能性がある。

同じエラーの範疇であるが、MEBTのバンチャー1の位相スキャンの結果にもRFQ出力エネルギーが低い事が示されている(図3.2)。

図 3.2: MEBTのバンチャー1の位相スキャンの結果
\includegraphics[width=8cm]{1129buncherscan.EPS}

これより、測定時のバンチャー1のピーク電圧はおよそ140kVであり、RFQ出力ビームのエネルギーは2.95 MeVである事がわかる。

 ところで、RFQビームのエネルギーが50 keV (50/3000〜1.7パーセント)低い事は、どの程度のエラーなのであろうか。図3.3に示すように、DTLのエネルギーアクセプタンスはピークでおよそ+-150keV程度はある。アクセプタンスには入るが、50 keV低ければ、大きな位相振動を起す事が予想されるので、J-PARCリニアックのような高エネルギーで要求仕様が厳しい場合には、対処すべき問題となる。

こうした結果を踏まえてか、DTL入射の際に、バンチャー2で40keVだけ加速しているようである。当座は加速すればエネルギー不足は凌げるが、位相角で25度程度は必要なので、大電流の定常的な加速の場合には、縦方向ビームエミッタンスに悪影響を及ぼす可能性がある。

図 3.3: J-PARC DTLのエネルギー位相アクセプタンス
\includegraphics[width=8cm]{DTLacceptance.EPS}


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