第 72 回 J-PARC Linac RF 打合せメモ
日 時:2007.3.8 (木) 10:40 〜 11:55
場 所:リニアック棟クライストロン準備室
出席者:山崎 (正),川村,福井,鈴木,小林(鉄),堀,方,内藤,高崎,山口
2. f0 サーチの方法
空洞の共振周波数 (f0) の探し方としては以下の方法がある.
方法 1:反射波の谷がゼロとなるようにチューニングする.
計算によれば,反射波の谷がゼロのとき,反射波の "台地" の値も最小となる (共振点以外は解析解がないので数値計算による).実際にはそうなっていないものがいくつかあるが,空洞の中で放電等の異常なことが起きているためと考えられる.
感度:オシロスコープの縦軸レンジを最大にしても,0.数 kHz の分解能を得るのは難しい.
方法 2:パルスを切ったあとの位相の流れがフラットになるようにチューニングする.この方法は感度が高い:Δf = 0.3 kHz のとき,40 μs で 約5 ° のずれ (S2).しかし,電力依存性を持つものが多い.当初,ミキサー等の LLRF 系素子の電力依存性を疑い,アッテネーターを入れて設定値を半分の値で動かしてみたが,同じであった.方法 1 と同様,空洞内で起きている放電等の異常現象の影響と思われる.
方法 3:チューナーを動かして周波数を振り,共振曲線をプロットして空洞パワー最大となる点を f0 とする.空洞パワー最大の点は,共振曲線にフィッティングして極大値を探す.周波数は ± 1 kHz 程度 (以上) =± 0.3 mm 程度振る必要がある (電力の減少 2 % に相当).現在,f0 セットは cold 状態のチューナー位置の記憶も兼ねているので,cold 状態記憶用ボタンは別途用意する必要あり.
方法 3 が最も正しいと考えられる.次回のランで試験してみる.コンディショニングのときの f0 合わせは方法 1 でやる.
3月22日配信:Subject: [jk-linac:01874] 第73回 J-PARC Linac RF 打合せ ('07.3.22) メモ
第 73 回 J-PARC Linac RF 打合せメモ
日 時:2007.3.22 (木) 10:30 〜 11:50
場 所:リニアック棟クライストロン準備室
出席者:川村,福井,小林(鉄),鈴木,方,堀,穴見,山口
2. コンディショニング
・空洞の「600 μs コンディショニング」(空洞 G + RF G)
S7, S13, S14, S15 のコンディショニングをパルス幅 600 μs で行なっている(ビーム試験中は除く).S7 は,300 μs に戻しても 1 シフト中十数回落ちる.残りのステーションも夜間にコンディショニングを行なう.
・D1 trip rate 上昇
3/14頃から,D1 の trip rate がそれまでの 0 回 / 8 時間から,20 〜 60 回 / 8時間に上昇.パルス立上り時の上昇時定数を大きくしたため,振幅のオーバーシュートが大きくなり放電を起こしていたためと判明.定数を元に戻して復旧.フィードバックに関係するパラメーターの変更は, RF-G (方,小林)のみが行なうようにする.
3. LLRF 関係
・フィードバック定数 (P, I) 変更
(P, I) の値を (40, 80) から (80, 100) に変更したが,少し下げた方が良いと思われる.
・I, Q オフセット値
I/Q モジュレーターが持っているオフセット値 (真円からのずれ) の補正値をPLC から入力できるようにした.I, Q ともに -512 〜 +512. 今後,「円の中心」を決定する作業を行なう.
・フィードフォワード (FF)
従来,ステップ関数で入力していたが,矩形関数に変更した.RFQ は FFをかけている.それ以外はまだ.
・オートチューナー不具合
S2, S14 の不具合は,PLC ソフトをデバッグして正常に動作するようになった.残る問題としては,PLC ドライブエラー (S12) とチューナー移動中に自動復帰しない問題がある.
・f0 セット
「反射波形」,「位相の流れ」,「共振曲線」の 3 通りの方法による f0サーチの測定を全ステーションで行なっている.S1 〜 S12 は終了.残りは明日午後に測定する予定.
・cold 状態記憶用のボタン
空洞が冷えている状態でのチューナー位置を記憶するためのボタンを PLC上に用意した.オートチューナー使用時には使わないこと.
5. その他
・空洞 S10A で真空スローリークがある問題
リーク箇所は依然として不明.必要であれば,来週 DB2 のチューナーと交換するとのこと (空洞 G).
・RF OFF は明日午後 4:00 の予定.ビーム試験は午前中で終了.
以上