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3.2 加速電場について

run4、5、6のタンクモニターによる電場設定推定値を図3.1に示す。モニターの更なる校正が必要だが、現状でも、次第にデザイン値に近づいている事は判断される。

図 3.1: SDTLタンクレベル: run5(0323), run6(0413), run6修正後(0417)
\includegraphics[width=12cm]{PLOT.ezSDTLrun6mod.EPS}

s10からs15までの再々スキャンの後、高周波担当者からの配信メイル中に、実際の高周波出力と必要高周波電力を比較した図が添付されていた。

図 3.2: SDTLタンクレベルのチェック070417
\includegraphics[width=20cm]{SDTL-TankLevelCheck.EPS}

彼は次のようなコメントをする。

補足として、クライストロン出力から求めたタンクレベルの比較をプロットしたので送ります。
これによるとS12あたりがかなり小さいよう。
VSWRメータに入ってる測定値(クライストロン出力、Pf, T1,T2)が合わないのも問題ですが、クライストロン出力の値が一番信頼できると思われます。(方結の結合度が変わってないとして)

スタディが始ってから相当の月日が経過しているこの時期に、クライストロン出力の計測値が、タンクレベル推定値として、一番信頼出来るというのでは、将来的に、困るのではないか。

3.2を見ると、SDTLの後半部分に対して、実際に供給されている高周波電力は、予想推定値に較べて小さくなっている。これらの測定値が正しくて、夫々のエネルギー測定結果が正しく、且つ計算値と一致しているとすれば、加速高周波位相がずれているという結論になる。

精度よく高周波測定を行う事は難事である。空洞のQ値の測定は精度1パーセント程度であろう。ケーブルの減衰率測定は、コネクターの具合等が微妙なので、注意が必要である。結局の所、空洞電場の指標として、何が経年変化の記録用として適しているかという問題になるが、筆者は、厳密に管理した空洞の高周波モニターが最適と考える。高周波源自体は定期的なメインテナンスで多くの部品が交換されてしまい、結果的に再現性を保つ事は難しい。高電力側の部品は交換の可能性が存在するのである。更に、きちんとした空洞の運転を目指す場合には、デチューニングが視野に入るであろう。その場合、空洞の高周波レベルに影響する程度のデチューニングもあり得る。これは高周波入力と空洞レベルが一致しない事を意味する。

これまでに配付された空洞高周波の資料中の、高周波入力電力と空洞高周波モニターから、別途加速電圧を推定して、デザイン電場により規格化した図を示す。

図 3.3: SDTLの最近の加速電場設定(2007年4月)。タンクへの高周波入力電力から推定される値と、タンクモニター出力から推定される値を比較の為に図示した。横軸のタンク番号は、今迄の2倍になっている事に注意。
\includegraphics[width=12cm]{PLOT.EzSDTLbothmethod.EPS}

これより、タンクモニター出力は更に校正が必要な物がある事がわかる。両者の傾向が違っている領域は、どちらかが系統的な誤差を含むのであろう。こうした測定結果が統一されるように整備する事も、スタディの目的の一つと考える。


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