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3.1 全体へのコメント

チューニングは、前進と後退再チェックとを交互に行いながら進行する。モニター等の設定あるいは校正に精度不足等があれば、再チューニングが必要となる。本ランでも、そうした再チューニングが行われている。加速器を支える全員が夫々注意して、そうした回数が少なくなるようにする事が、限られた時間内のチューニングには必要であろう。現状では、そうした横の連携は必ずしもうまく行われているとは云えない。

実は、縦チューニングの精度を実証するための道具が、現状では不足している。リニアックに付随する基本的なモニターは縦エミッタンスを精度よく測定できない。更に、周波数が3倍の後続リニアックが存在しない為に、縦のチューニングの精度は、ビーム損失の形ではほとんど確認不可能である。またRCS入射がまだ行われていないので、そこでのビームの振る舞いからリニアック加速状況を推定する事も出来ない。デバンチャーの運転により、部分的に確認する方法はあるが、その為の設備は充分ではない。第3.2節に示す加速管の電場分布の乱れから判断すれば、現在のチューニング結果が、充分であるとは言い切れない。チューニング結果を精度よく確認出来ないという事実は、幸運であると同時に、つけを後に回しているだけの可能性も存在する。

DTL-SDTLの間の横チューニングは、本リニアックの大きなの関門の一つである。その意味は、加速と横マッチングを分離せずに、同時に行っている部分であるからである。それ故に必ずしも最適な測定系は準備出来にくい場所である。従って、ここはスタディグループの腕の見せどころである。縦方向と違って、うまくやれば、結果を確認する事は可能である。
なお、この時期になって、加速後の横エミッタンスの報告が無いのは不可解である。これはビームの基本的な量であり、必要な測定なので、機器と測定方法のチェックも兼ねて、スタディの早い時期に一度は行うべきものであろう。そうすれば、それなりの設定を考慮の上で、測定システムとエミッタンスが確認でき、その後のスタディーを通じての横エミッタンス改善の様子がわかり、それは横方向チューニングの向上の目安となる。測れない理由があるのか、測っても公表できないのか。

ビーム電流が未だに5mAなので、リニアック本来のチューニングはこれからの課題であろう。ビーム電流が増える時のチューニングは、現在の単なる延長線上にあるわけではないが、ほとんどの加速機器にはマージンがあるので、その意味の苦労は少ないと考える。


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