: 2. 2007年6月第3週 run-8
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スケジュールによれば、リニアックだけのスタディはこのランが最後である。既にリニアックの仕様エネルギーまでビーム加速を行い、その後の長いビームライン(L3BT)も通過しているので、その意味では、ここまでのリニアックスタディは成功である。昔から、ビームが回らなかった加速器は複数知られているし、目標ビーム強度達成までに何年も必要とした加速器も多い。
しかしながら、今回のJ-PARCが日本において第三世代とも言える加速器である事を考慮し、リニアックの仕様性能のテストが適切に行われ、あるいは、今後仕様を満たす助けとなるようなスタディが行われているかという観点から言えば、これまでのスタディ内容は、決して充分ではない。リニアック仕様はまだ達成されていないし、そこまでの道順もはっきりとは見えていない。幸いと云っては誤解を招くが、通常は後続のリングは更に難しい問題点を抱えているものである。「真直ぐ通す事のどこが難しいのか」というリング関係者の言葉にも一理ある。従って、リングのスタディが始っても、リニアックスタディのサブ時間は豊富にとれると予想する。時間と資源を有効に使っていただきたいと希望する。
今回のスタディは3週間であるが、最初の1週間はビームエネルギーは3 MeVとか。前回のランの結末から、これは当然の作業であろう。入射部分を軽視したつけが、回って来たという事である。
大強度高エネルギー陽子リニアックでは、低エネルギー入射部がひとつのキーポイントであると、云われ続けていた。2002年にKEKで行われたMEBTまでのビームスタディでは、そうした意味を踏まえて、詳細なスタディが行われ、その報告がなされている(021217 MEBT beam study 第3回 J-PARC加速器技術検討会)。早いうちに、きちんと詰める所を詰めておく事は必要な事である。そうした事をポリシーとして確立して、今後のスタディを行えば、良い結果が効率よく得られるのではないか。
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