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: 6.3 リニアックデザインーー可変収束系 : 6. 仕様の変更とデザインの変更 : 6.1 新しい仕様:リニアックエネルギー   目次   索引

6.2 リニアックデザインーーピーク電流

ピーク電流50mAは世界のトップにたつという競争意識から生まれたもので、それ以外にはなんら具体的根拠はない。机上のデザインを競い会うむきは、現実のイオン源の進歩を無視してイオン源ビーム強度を設定する。ある場合には、瞬間最大ビーム強度をベースにするために、イオン源の数時間の運転後には、イオン源のメンテナンスが必要というような悲惨な運転状況が裏に隠されている場合もある。この時期、KEKのイオン源グループは10mAの負水素イオンを出す事に四苦八苦の有り様であった。イオン源の遅れのために、予定されていたビームテストも何ヶ月の単位で遅れたものだ。そのような時に、デザインビーム強度を50mAに設定したのである。リニアックは、電源さえしっかりしていれば、ある程度大きなピーク電流を加速する事は難しくはない。KEKのPS リニアックでは、5マイクロ秒程度の短いパルであるが、150〜200mA を加速した経験がある。今回の場合、ビーム幅が500 マイクロ秒と長いので、電源の役割が大きくなり、叉、加速エネルギーが大きくなるので、チューニング等に注意が必要となるが、50mA は充分可能な加速電流である。そこで、リニアックとしては、運転の当初から大強度ビームがほしい。そうした大強度ビームでビームスタディをする事により、内在する問題点があれば早く見いだす事ができ、対策を講じる事により、運転技術の向上が期待できるのである。従って、イオン源関係者は全力を挙げて、デザインビーム強度の早期実現を期すべきである。


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