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6.5 リニアックデザインーー敷地の制約

当初、大強度陽子リニアックはKEKの敷地内に作るという制約があった。既にKEK内には多くの施設があり、リニアック用のスペースが自由に確保できるわけではなく、当然ながら長さの制約を受ける事になった。その為に、等分配理論が可能な範囲で、リニアック長さを短めにデザインする方向が要求された。加速電場が必要以上に高くなるのは、リニアック自体は短くなるが、運転等の諸問題から見て得策ではない。それで、敷地内に納まる範囲で出来るだけ低い電場を使うという設計になった。幸い、放電に強い加速管の内面が開発されたが、理論上で可能であるからと言って、無闇に放電限界以上の高い電場を設定する事は出来ない。よく使われているキルパトリックの放電限界の1.3倍を目安にしたが、これでも私としてはやや高いのではないかという感じを持っている。敷地内に納まるか納まらないかは実に厳しい問題であるので、そうしたしわ寄せが一部及んだ所も無しとは言えない。その後、建設地が原研に決まったが、実機の加速管を始めとして、既に色々なものが走り始めていた後だったので、基本のデザインはそのまま踏襲する事にした。従って、当初から長さの制限のないデザインが可能であれば、リニアックはもう少し長くなったのではないかと思っている。


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