今日の日々ミーティングでも報告されましたが、制御Grの方々の協力を得て、TOF測定の整合性をチェックしました。
精度は、50MeV加速で添付ファイル程度の整合性になっています。
参考迄に、TOF組合せは、その種別により、色分けされています。
緑色-> 短距離TOF(例:S2後なら0.45m)
水色-> 中距離TOF(例:S2後なら2.3m)
青色-> B'-type(短距離-中距離、間のクロスチェック)TOF [例:S2後なら2.8m)
黄色-> B-type(短距離-長距離、間のクロスチェック)TOF (例:S2後なら6.4m)
桃色-> 長距離TOF(例:S2後なら6.7m)
> [jk-acc:03182] Study Summary
> BEAM STUDY SUMMARY(Feb. 15, 2007 13:00-19:30)
> 50MeV加速(DTL3まで)で、以下の試験を行った。
> ・TOFペア間の整合性の確認(SDTL部)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
上図の解像度が悪くなっているので、結果だけを図示してみよう。この測定は、タイムオブフライトの測定区間を変えて、同じ50 MeVビームのエネルギーを測ったものである。システマチックなエラーがあれば、それは除去出来ないが、配線の具合を含めてセッティングのチェックにはなる。
横軸は測定番号にしたが、これは、およそDTLから遠ざかる距離(測定位置)を表す。どの測定のチューニングが不十分か見当がつきそうだ。
測定担当がまとめた測定分類に従って、それぞれの測定の特徴を表1に示す。
表1:TOF測定の比較 | ||||||
全体 | 緑 | 水 | 青 | 黄 | 桃 | |
平均 (MeV) | 49.852 | 50.602 | 49.017 | 49.484 | 49.948 | 50.023 |
---|---|---|---|---|---|---|
中央値 (MeV) | 49.898 | 50.295 | 49.762 | 49.938 | 49.851 | 49.936 |
標準偏差 (MeV) | 1.16 | 1.38 | 1.49 | 1.12 | 0.347 | 0.278 |
最大 (MeV) | 54.372 | 54.372 | 50.494 | 50.378 | 51.12 | 50.978 |
最小 (MeV) | 46.555 | 49.048 | 46.555 | 47.218 | 49.73 | 49.818 |
+-150 keV程度のDTL出力のエネルギー振動は、軽く起る可能性があるので、測定結果の平均エネルギーが、デザイン値(50.078 MeV)に近い必要はない。今回の測定結果は、色々な事を教えてくれる。
メートル原器のような、確実に校正出来る一式でやる事が必要ではないか。そうすれば、全てにわたり簡単にキャリブレーション出来る。大きなエネルギー振動が起きている状態は望ましくないと考えるべきであり、その大きさを確認する必要がある。
TOF測定に関する昔のメモ(2003年)から、測定精度に関する部分を引用する。全文は、第2章の参考文献に載せる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー begin
4. エネルギー絶対測定
位相測定精度を+-1°としたときに、必要エネルギー分解能(K/K=1E-4及び2.5E-4とした)を得るための、2個の位相モニターの距離を表2に示した。長さ測定の精度(L)は、各エネルギーにおいて、位相エラーと同じ効果を与える値にした。
表2:エネルギー絶対測定に必要なパラメータ | ||||
K/K=1E-4 | K/K=2.5E-4 | K/K=2.5E-4 | L(m) | |
Energy (MeV) | Length (m) | Length (m) | W (keV) | |
3 | 8.235 | 3.294 | 0.75 | 0.00020 |
20 | 21.551 | 8.621 | 5 | 0.00052 |
37 | 29.708 | 11.883 | 9.25 | 0.00070 |
50 | 34.887 | 13.955 | 12.5 | 0.00081 |
75 | 43.561 | 17.424 | 18.75 | 0.00097 |
100 | 51.268 | 20.507 | 25 | 0.00110 |
150 | 65.186 | 26.074 | 37.5 | 0.00130 |
190 | 75.544 | 30.218 | 47.5 | 0.00143 |
300 | 102.598 | 41.039 | 75 | 0.00168 |
400 | 126.720 | 50.688 | 100 | 60.00183 |