: 5.2 RFQ出力エネルギー不足の問題とプリチョッパー電源
: 5. 再び前段部分の問題点について
: 5. 再び前段部分の問題点について
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索引
以下の問題があるようだ。
- RFQ空洞の大電力定格運転が達成出来ていない。いまだに高周波パスル幅を300マイクロ秒以上に長く伸ばせない状態である。放電により空洞がダウンする。空洞に必要なパルス幅の定格は600マイクロ秒である。
- 短いパルス幅の運転中でさえ、空洞トリップが頻繁に起こる。その割合は、400回/day以上である(2006年11月〜2007年2月の統計:第2章 第4.5節及び下図参照)。
- 運転上の問題点は、こうした運転効率に直結する空洞トリップが、公の記録に残されないような仕組みにもある。その結果、この空洞ダウンは、直接の関係者の範囲の外に知らされる事はなく、従って問題点として認識される事もない。
このような空洞では、ビームパルス幅500マイクロ秒で25Hzの運転は、暫くの間は出来ない可能性がある。ビームパルスの半ばで起るトリップ毎に、高エネルギーに加速されたビームの過渡部分がどこかで失われる可能性があり、放射化防止の観点から、運転には厳しい制限が課せられるであろう。
RFQ空洞が安定に許容出来る高周波パルス幅が300マイクロ秒とすれば、期待されるビーム電力は50%近くに落ちる事を意味する。
放電多発により定格電力が投入出来ないという結果(2007年3月現在)から見て、RFQ電極の製作法とチューニング過程には、相当に不適切な部分があったのではないかという疑問が残る。放電が侮れる問題でない事は、空洞技術者にとっては、周知である。 J-PARC RFQ空洞は、放電対策としてどのような措置をしたのか。表面粗度は? 放電防止の為にどのように製作過程を? 真空対策は? 一般的に云えば、J-PARC RFQの設定電場は、キルパトリック比から見る限り、特別に高い設定ではない。にもかかわらず、何故というのが疑問である。良好でない真空特性が原因ならば、それは、真空デザインの問題ともなるだろう。
参考資料:
図 5.1:
クライストロン毎のアラーム合計:昨年11月〜2月
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: 5. 再び前段部分の問題点について
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