一昨日にとりあえず全空洞のRFを定格と思われる電力と位相にそろえて試験しました。
全空洞でビームローディングは見えましたが、同一クライストロンに接続した隣接2空洞の位相(導波管長で決まっている)が大分ずれているように見える(本来は同位相にしたはず)もの(S7A,B)があり、そこの前後での位相調整不良が原因と思われるビームロスも観測されました。そのため全数一気に加速は中止されました。そして昨日からS−1から順に1台づつ調整しているようですが、TOF用のFCT信号処理ルーチンに手違いが見つかり、現在はその修正作業中。
これまでのエネルギー測定結果のいくつかが「?」となる模様。故に測定し直しがある。
この進展状況なら今週中に181まで加速できるか「ぎりぎり」というところ。
位相のずれている空洞の位相調整(導波管の3スタブ位相調整器で調節)をすることが今後必要。
ずれた(又は、ずれていた)原因は調査中。
RFQは定格パワーを保持できつつある。但しRFパルス幅は150マイクロ秒がやっと。
DTLは非常に安定。(300μ秒、25HZ)1日に1回落ちるかどうか。(ついさっきD1が31時間ぶりに落ちた。)
SDTLは個性があるが3,4時間に1回落ちるものから長いのは12時間以上安定。
クライストロンの高圧が1〜2日に1回落ちる。
モニターの状況は錯綜しているのですが、聞き回って分かったことは以下の通り:
(1)SDTL部にあるFCTの信号処理をする際に、ビームがない時のベースライン信号をオフセットとして信号データから差し引く処理をソフトでしているが、そのオフセット値が正しくなかった。(誤差は数MeV!!!相当らしい。
李さんがいうには60MeV予想のところで69MeVと出ていたらしい。S4の出口か? 当初は空洞の「でき」を疑われた。)
(2)モニター全般で信号処理ソフトがあやしそう。
モニターグループはTOFなどの生信号の処理まで制御に任せている様子。しかし、制御グループ担当者は多分加速器は初めてであり、当然モニターの生信号を見たことなどない。(見ようともしていない気がする)そのためモニターグループの要求が正確に伝わっておらず(要求が正確だったかも不明だが)、正しい処理をしているのか、モニターグループ自身も確認していないことが、今回分かったらしい。制御GRが全部やっているためモニターGRは自分たち自身でソフトの手直しどころか内容チェックもできない。
(モニターGRの制御GRへの仕様が不できであったのが原因、となるかも。)
(3)今朝からモニター関係の全データ(制御GRに入力してもらった数字)の確認作業と多分オフセット値の再設定をやり続けているらしい。ついさっきまでS2ステーションで入力作業を佐藤氏と佐甲氏がやっていた様子からすると今夜は無理かも。
と、いうわけでビーム試験は進んでいません。