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: 2.1.1 加速電場の設定等 : 2. 2007年6月第3週 run-8 : 2. 2007年6月第3週 run-8   目次   索引

2.1 前段階

$\bullet$ 6月5日配信: Subject: エージングデータ

前回みなさまに記入して頂いたシートの一部を入力してみました。 タッチパネル設定値とクライストロン出力だけですが、次回の運転時に真空の悪い箇所のエージングを30分または1時間程度行うと真空値は徐々に下がってくるので、少しは効果があると思われますが、検討している時間が無い(本当は有るのかもしれませんが)ため保留にしています(具体的に皆さんにお願いしなければならないため)。
個人的には、立ち上げ初日は真空の悪い箇所の積極的なエージング(定格まで上げられるか?)。2日目は定格以上のエージング等を考えていますが、SDTLは空洞が多いため、特定の空洞にしぼるか等一人では判断できない事が多く空洞打合せ時にでもお話出来れば良かったのですが(まあ急いで次の運転で行わなくても良い話かもしれませんので)。

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添付ドキュメントは、本ホームページのトップページの第7章の参考文献「ラン7エージングデータ」に示した。

$\bullet$ 6月5日配信:Subject: D1イオンポンプダウンについて

皆様  Cです

本日 16:40頃CCRからD1イオンポンプダウンしている旨、Aさんに連絡 があり私に転送されてきました。
D1IP電源を見てみるとダウンしていましたが、あまり真空悪化はしていませんで した。 IP電源が温度異常によりダウンしていると考え、再起動しました。その後順調に真空が回復しております。
タッチパネルにエラーログが出ていないのでいつダウンしたか不明でした。その後F氏-DBから見てみると昨日の16:08頃からでした。ダウンしたら連絡が 来るようなシステムを作っていただきたい。 Uさんにギャラリーの温度を調節していただくよう要望を出しておきました。

$\bullet$ 6月6日配信:Subject: Re: D1イオンポンプダウンについて

Jです。

> その後福井DBから見てみると昨日の16:08頃からでした。

月曜日、RF-GrがD1ラック列で作業をしていました。その際、空洞PLCの大本のブレーカー(RF-Grが用意 しているブレーカーです。PLCの下のブレーカーではありません)をOFFにしたのが原因だと思います。

私は、DTQ電源遠隔操作のテストのためDTQ電源室にたまたま居合わせたので気づきました。(D1のDTQ電源(全台)のインターロックが発報したので気が付いた)

作業後にブレーカーをONにしてPLCも正常になっていたのですが、IP OFF の件は気づきませんでした。以後気をつけます。

P.S.
PLCの電源がOFFになる作業をする時には連絡してもらうよう、RF-Grにお願いしておきます。(普段OFF にすることのないブレーカーなので、忘れていたのかもしれません)

コメント:加速器の基礎技術のひとつが真空である。通常はどこにも見えて来ないが、空洞のコミッッショニングや放電とも深いかかわりがある。何かの異常があった場合に、真空の反応は非常に役に立つのである。20年以上前に、PSリニアックのお守りをしていた頃、朝の日課の一つは、多色ずりの空洞タンクレベルのチャートの点検と、打点式の空洞(イオンポンプ)真空度チャートを見る事であった事を思い出す。

$\bullet$ 6月7日配信:Subject: Subject: [jk-linac:01899] 第78回 J-PARC Linac RF 打合せメモ

第 78 回 J-PARC Linac RF 打合せメモ

日 時:2007.6.7 (木) 10:30 〜 11:55
場 所:リニアック棟クライストロン準備室

1. 運転関係

・S7 同軸管チェック (空洞-G ・ RF-G,5/30) 
 - S7A の trip rate が大きい件に関し,放電箇所有無確認のため,S7A 同軸管 (方結付き同軸管〜空洞カプラー間) を解体し目視点検した.放電痕なし.
 - S7A のカプラー上部の覗き窓にテレビカメラを設置した.
・D1 クライストロン低圧電源制御盤の PLC 用冷却ファンから異音発生 (6/4)
 - 予備のPLC 筐体の冷却ファンと交換した.
 - 予備として同一ファンを 10 個発注する.
 - PLC の筐体を引き出すため電源を OFF にしたところ,インターロックが働いてイオンポンプの電源も切れた.今後注意すること.
・チョッパー 空洞出口 39D 方結交換 (5/31)
 これまで,チョッパーの第二空洞出口に設置されている方結は,Pr (ダミーロードからの反射) のみをみていたが,両方向見えるものと交換したので,今後は空洞出力 (Pf) も測定できる.
・PLC モジュール予備品手配
 以下のモジュールを発注した.6/11 納品予定.
 - FA リンクモジュール    4 台 
 - 位置決めモジュール    1 台
 - デジタル入力モジュール   1 台
 FA リンクモジュールの 1 台を除き,空洞-G の負担.置き場所は準備室のガラス戸棚.
・f0 セット方法
 3 通りの方法 (「反射波最小法」,「位相流れ法」,「Q 曲線最大法」) による再測定を来週初めに行なう.今回は空洞入力の振幅位相も測る.コンディショニングが進んで,前回と挙動が違う所があるかもしれない.
・クライストロン固定用アンカーボルトの引抜試験 (配布資料あり)
 - 324 MHz クライストロンのアンカーボルトによる固定について検討した.ギャラリー下流の床でアンカーボルト (M12 雌ネジメカニカルアンカー)の引抜試験を行なった結果,約 900 kg (耐震クラス S) の引き抜き力を有していることがわかった.せん断力はこれの 1.5 倍ある.
 - 今夏の運転停止期間中に固定作業を行なう.
 - 972 MHz クライストロンについては別途検討する.
・クライストロン電源エラーまとめ (Run 7) [配布資料あり]
 - 今回のランでは,No.3が実質 3 回,No.5 が 2 回クローバー動作した.
 - クライストロン電源は HV ON しない場合,LV ON から 3 時間後またはHV-ready から 2 時間後に LV OFF となる.
 - S1 メインコイル電源から異音がした (5/17, 19, 23).経過観察中.

2. 972 MHz クライストロン窓の温度上昇測定 ( (RF-G ・ ACS-G,5/28-6/6)
 - クライストン窓から 1.4 m のところにサーモトレーサーを設置.覗き窓は 20 mm φ.運転条件は 25 Hz,600 μs,で最大 1.5 MW.
 - 温度分布の中心が機械的中心よりも約 3 cm 下にさがっている.原因の可能性として,アラインメント,水流の上下方向,ステップ導波管と隣接していることによる電磁場分布の非対称性などが考えられる.要検討.
 - 間接冷却と直接冷却では発熱に有意な差がない.どちらの場合も 3 MW,フルデューティーに外挿すると温度上昇は 70度となり T 社の評価と一致する.
 (C) 周辺しか冷やしてないのではないか?

3. 400 MeV 予算 
 - 来年度スタートする可能性がある.
 - 4 年計画としても,初年度は物作りはほとんどできないが, 各デバイス担当者は早急に仕様,スケジュールをつめる必要がある.
 - 立体回路はNM氏が担当する.
 - 開発棟の 972 MHzテストスタンドの移設の場所,タイミングも考える.

以上

$\bullet$ 6月8日配信:Subject: S3AーRFモニター

各位

前RUN最後でS2〜3近傍でビームが曲った件に関し、S3A(S−5)空洞内での異常の有無を確認するため同空洞の最上流と最下流のRFピックアップの出力を地上でパワーメータに入力しました。計測器はチューナー制御器の上にあります。接続は下記の通り(多分#5が最上流、#8が最下流)

S3AのRF-IDF #5ー> 10dB Att  ー> #2RFケーブル ー> Boonton Powermeter Ch1
S3AのRF-IDF #8ー> 10dB Att  ー> #4RFケーブル ー> Boonton Powermeter Ch2

両者の比をモニターすることで加速モード以外のモードの混入が分かるかもしれない?
使って見て下さい。(まだ未校正)
なお比でなくて絶対値で比較できるようにケーブルロス等を測れば最高。JさんOR, Tさん、いかが?

$\bullet$ 6月12日配信:Subject: DTLカプラー

前回のラン中のDTLのカプラー設定が良いとは思われません。DTLのビーム加速を円滑に行う為に、空洞の設置条件、空洞の励振条件及びDTL間の調整が絶対必要です。
それ等はビーム強度にも密接に関係します。
空洞の設置条件がいい加減な状況下では、励振条件並びに他の調整を行う気すら起こりません。よくよく考慮し、空洞の設置条件だけは後腐れがないように行って下さい。よろしくお願いします。

 先週のLCPに出席されたひとはご存知だと思いますが、サイボウズ/LCP/放射線の残留放射能分布又は担当者打ち合わせでの報告にも見られるように、DTL3のサイド(下流側)で残留放射能が測定されています。私は、多分、DTL調整(26mA)の不充分の為だと思っています。profileの肩の存在もそれに起因すると想像されます。
私ならば、前述したようなカップリング状況下ではRF調整等を行うことさえ馬鹿らしく なるだろうと思っています。更にビーム強度を変えて加速するなんて。
J-PARCのような大きな組織(それぞれ担当Gr.が異なる組織)では、他GR.の不完全さが 目立ち、やる気を萎縮させてしまいます。故に、空洞GR.では他Gr.の士気を萎縮させないように頑張って下さい。J-PARC担当・責任者の人はこのことを留意して下さい。
加速器立ち上げ時のビーム強度の変化が著しい時のDTLの調整(DTL内でのビーム損失がCTで測定できない程度にすることも含めて)が如何に面倒か、KEK-PS-LINACの運転を任されたN氏にじっくり聞いて下さい。

筆者コメント:DTL縦アクセプタンスの境界をはみ出るようなビーム入射方式のKEK PS リニアックの加速システムでは、どんなに調整しても、微量は(入射部以外でも)こぼしてしまうでしょう。J-PARCリニアックは、RFQの採用により、DTL縦アクセプタンスの充分中心にビームが入射するはずなので、その意味で、原理的には相当改善されています。但し、前回のビームロスは横の可能性が大ですので、他の要因でしょうか。




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