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: 6.3 SDTL加速電場の推定(加速エネルギーから) : 6. 2月第3・4週:070213〜 : 6.1 第3週のSDTLエネルギー測定データ等   目次   索引


6.2 エネルギー測定の評価

縦につながるリニアックの縦方向チューニングには、エネルギー測定を精度よく行う事が不可欠である。沢山ならぶ測定システムの測定精度が悪くては、位相振動を抑えたチューニングを達成する事は難しい。前節において配信されているデータを基礎に、ここまでのセッティングの状態を検証する。まずは、図を眺めてほしい。

図 6.2: SDTLエネルギー測定のデザイン値との差
\includegraphics[width=10cm]{PLOT.SDTL-DW0216.EPS}

図 6.3: SDTLエネルギー測定のデザイン値との差の割り合い
\includegraphics[width=10cm]{PLOT.SDTLenergydifratio.EPS}

図 6.4: SDTLの最終エネルギー(181 MeV)測定のデザイン値との差の割り合い
\includegraphics[width=10cm]{PLOT.SDTL181mevdifratio.EPS}

図 6.5: RFQエネルギー(3 MeV) 測定のデザイン値との差の割り合い
\includegraphics[width=10cm]{PLOT.RFQenergyDifratio.EPS}

SDTLのそれぞれのタンクの出力エネルギーのデザインからのずれを見ると、7番と14番あたりが特別に大きい。この結果は、Nさんの2月19日のメイルの内容 (以下に引用)と一致する。

SDTLの空洞レベルは現時点では適当に決めてあります。(TOF精度が悪かったから)。例えばS6はやけに大きくS7は投入パワーが小さい。これはS6で加速し過ぎているからS7を下げて合わせている。つまりS7に入るビームの質は?なわけです。S7のビームON時のtrip率が高いのはこの為かもさいれません。S14,15も同様です。S13,14,15で無理やり181MeVにしていますから。

このセッティングによるビーム加速が、空洞を含む高周波系に悪い影響を与えている事は、2月18日の配信メイルのトリップレイト表6.1の内容とも一致する。たかが5mA 、50マイクロ秒、2.5 Hzのビームでもこのような悪さを起すのである。高周波大電力配管系の構成要素は、様々な周波数成分を持つのビーム誘起電圧に対しては、殆ど広帯域と言っても良い。従って、細かな注意が必要であり、加速管関係者及び高周波源関係者は、 スタディを傍観しているのではなく、機器を痛めつけるこうした悪いセッティングは断るべきである。

181 MeV の測定と3 MeVの測定では、測定値のデザイン値からのずれの割り合いが大幅に違っている(縦軸のスケールが違う)。これは、測定精度を決めている一つの要因であるモニターの相互距離あるいは、測定ラインの位相長さの精度の悪さが、測定精度を悪くしている可能性を示唆している。要するに、全てを同じ感覚で作っている如くみえる。既に第4.6節において、DTL出力エネルギー測定の測定システムによるバラツキを取り上げている。本節の結果と併せてみれば、モニターの設置精度、測定精度の確保の方法等についての事前の検討が不十分であったと言わざるを得ない。


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