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J-PARCリニアック400 MeV増強について


J-PARC陽子リニアックのエネルギー増強計画の概算要求を20年度に行うとのメイルが配信された。

結論

2007年現在のリニアックエネルギー増強計画は、これまで述べたように、解決には相応の知恵と努力が必要な複数の仮定の上に、成立している。それらの仮定の中の一つが実現しない場合には、単にリニアック出力エネルギーを高めて、後続の加速過程を一層難しくする結果を生む可能性さえ否定出来ない。現存する世界の同様な加速器では、入射しやすさを考えて、リング入射エネルギーを低く設定している。それに反して、入射エネルギーを高くするからには、それなりの基盤技術が確立されていなければならないが、現状では明るい見通しはない。従って、2007年現在においては、必要となる加速器技術の観点からみて、リニアックエネルギー増強計画の概算要求は時期尚早であり、延期が至当である。内に力を蓄える方策を、優先すべきである。